役員に関する制度の見直しのポイントを教えてください。

第5次医療法改正では、医療法人の内部管理体制の明確化を通じて効率的な医業経営を図るために、役員に関する制度が見直されました。「役員(理事・監事)の任期」、「監事の職務」、「役員の補充」については、次のような変更があります。

1.役員(理事・監事)の任期
 旧医療法では、役員の任期は明確には定められていませんでした。ただ、モデル定款で「役員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。」と規定され、多くの医療法人がこの通りにしていました。
第5次医療法改正では、同法第46条の2第3項に「役員の任期は、2年を超えることはできない。ただし、再任を妨げない。」と規定され、正式に法文化されました。

2.監事の職務
 監事は、医療法人を監査する重要な機関です。旧医療法では、監事の職務については民法第59条の規定を準用するにとどまっていましたが、この改正では、監事の職務が明記されました。このような改正が行われたのは、監事の職務内容を明確化することによって経営基盤の強化を図り、その提供する医療の質の向上及びその運営の透明性の確保を強化するためであると考えられます。

具体的には、医療法改正前の監事の職務内容は、次の通りとされていました(旧民法第59条)。
(1)法人の財産の状況を監査すること。
(2)理事の業務の執行の状況を監査すること。
(3)財産の状況又は業務の執行について、法令、定款若しくは寄附行為に違反し、又は著しく不当な
事項があると認めるときは、総会又は主務官庁に報告をすること。
(4)(3)の報告をするため必要があるときは、総会を招集すること。
 
医療法改正により、監事の職務内容が次の通り明記されました(医療法第46条の4第7項)。
(1)医療法人の業務を監査すること。
(2)医療法人の財産の状況を監査すること。
(3)医療法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、当該会計年度終了   
後3ヶ月以内に社員総会又は理事に提出すること。
(4)(1)又は(2)の規定による監査の結果、医療法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは定款若しくは寄付行為に違反する重大な事実があることを発見したときは、これを都道府県知事又は社員総会若しくは評議員会に報告すること。
(5)社団たる医療法人の監事にあっては、(4)の報告をするために必要があるときは、社員総会を招集すること。
(6)財団たる医療法人の監事にあっては、(4)の報告をするために必要があるときは、理事長に対して評議員会の招集を請求すること。
(7)医療法人の業務又は財産の状況について、理事に対して意見を述べること。

3.役員の補充
 理事又は監事のうち、その定数の5分の1を超える者が欠けたときは、1ヶ月以内に補充しなければならないと定められました(医療法第48条の2)。